SOMATIC PSYCHOLOGY

「悲しいから涙が出る」のではなく,「涙が出るから悲しい」(のかもしれない)というのが,身体心理学(somatic psychology)の考え方だと山口創さんから伺ったのは数年前のことだ。意味で行為を絡めとろうとする所作から離れるのにいいなと思ったことを覚えている。
「こころ」の問題をさておいて,「からだ」と「ことば」で思考する竹内敏晴さんの取り組みとの共通性を感じたのだ。

意味を,刺激と反射に置き換えたところで,その先に何かがあるとは思えない。また,他者を操作する行為に用いられると非道いことになるのは想像に難くない。
それでも,他者に対する基本的な関係づくりのフィロソフィを前提にした,ミノタウロスのようなありかたこそが人であるゆえんではないだろうか。

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