1982年の東郷隆


東郷隆の『戦場は僕らのオモチャ箱』(徳間書店)が刊行されたのも1982年。

「ねー,ヨコハマ人やってておもしろい?」 「僕は住んでるっていっても横浜のハズレだぜ。中区の人には百姓だと思われている」 「でも,いい気持ちなはずよ。少なくとも桶川の住民よりは,ね」 「……ん,まあね」 「私知ってんのよ。あなたがモノスゴーク横浜人ブリッ子だってゆーの。矢作俊彦の大ファンだってみんな言ってるワ」 「あの人の小説さー。最初はすっごく臭いんだけど,慣れるとクセになるんだよなー。イモ焼酎みたいに……。でもそれだけ」 「知り合いはみんな言ってるワよ。『気分はもう戦争』とかいうマンガに出て来る学生ゲリラ(「メガネ」のこと),あなたにソックリだって。みんな狂ったって言ってたワ。マンガの登場人物と自分を同一視して,アフガニスタンまで同じことしに行くなんて,ほとんど異状よー」 「僕,あんなに軽薄で明るくないよ。それに,あのキャラクターたちがマンガに登場した頃には,たしか僕はもうペシャワルにいたばずだ。関係ないよ。(後略) 同書p.13-14

という感覚が1982年っぽい。 表紙はもはやどうでもいいのだけど,この本についてはオビがあるのとないとのでは,遭遇のしかたがかなり変わったであろうことは想像に難くない。  
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