平成のはじまりの数年,ヘアヌード写真を掲載するためだけの写真集やムックが雨後のタケノコのように刊行された。申し訳程度に小説家のエッセイが付いていたムックのシリーズは複数あったと思う。書店の店頭だか新聞広告で矢作俊彦の名前を見つけたものの,およそ手に入れる気にはならないまま10数年が過ぎた。 古本屋で平積みの一番上に置かれていたものを買ったのはいつのことだっただろう。ざっと眺め,矢作俊彦の小品だけを切り取って捨てた。最近「GQ」を手に入れた後,行なっていることと変わりない。それにしてもすさまじい組み方だ。