北杜夫01

北杜夫の『マンボウ家族航海記』(実業之日本社文庫)を買って,ここ数日読んでいた。2011年10月15日初刷で,11月25日に第2刷。北杜夫が他界したのが10月24日だから,見返しに他界と記してあるのは第2刷からなのだろうけれど,あまりに早いタイミングで修正かけているのがなんだか嫌な感じがした。

20年振りくらいで北杜夫のエッセイを1冊まとめて読んで,つくづく博覧強記というか,文章を書くのにとにかく調べられるだけ調べて書いていることにハッとした。

小学生の頃,旺文社のハードカバーで『ぼくのおじさん』は読んではいたものの,『どくとるマンボウ航海記』を12歳の頃に読んでから10数年,しばしば北杜夫の小説とエッセイを読み返していた。

高校に入ったとき,夏目漱石の信奉者だった現代国語の教師の授業で,教科書について何か言いたいことはないか,と一人ずつ発言するときがあった。私は「北杜夫の小説が収載されていないのがおかしいと思う」と答えた記憶がある。現代国語の教師は「遠藤周作が入っているんだから入れてもいいのかもしれないな」とか,その程度の反応で,もやもやだけが残った。(つづきます)

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