死の報酬


どこで手に入れたのか忘れたものの結城昌治の『死の報酬』(講談社文庫)を読み終えた。このシリーズの第一弾『死者に送る花束はない』も後味は悪かったけれど,探偵小説としては面白かった。この本も読み終えた感想は先の小説と同じだった。

1970年前後の結城昌治の小説の会話はかなり洒落ていて,デビュー当時の矢作俊彦が参考にした(と何かで読んだ記憶がある)のも頷ける。もちろん,矢作俊彦の小説の会話は遥かに韜晦度(という表現があれば)が高い。

ここ数年,三好徹の小説と交互に読み始めて,いつの間にか三好徹の小説ばかり読んでしまっていたのだけれど,続けて買っておいた『不良少年』を読み始めた。シチュエーションは異なれど,出だしの感じは『抱きしめたい』に近い。時系列からすると矢作俊彦が参考にしたのだけれど,カート・キャノンにしろ何にしろ,自分ならこうすると書き出したに違いない矢作俊彦の小説のほうが面白いのは仕方あるまい。

 

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