コラム


2月から3月にかけて小林信彦のコラムをかなり読んだ。『複雑な彼女と単純な場所』ハードカバー版のあとがきでめずらしく(?)矢作俊彦が,収載されたエッセイを読み返し同じところばかりめぐっているかのようで反省したと記したくだりを思い出した。小林信彦の少なくとも「週刊文春」連載数年分を一気に読むと,矢作俊彦の“反省”は杞憂ではないかと思った。

小林信彦のコラムの堂々巡りにあまり違和感を覚えず,だらだらと読んでいると,それは好きこのんでのことでしかないのだと実感する。小林信彦は同じことの繰り返し書いているのだから。

実家を片付けていると「エスクァイア日本版」の第3号が出てきて,ここに矢作俊彦は酒場についてのエッセイを寄せている。この雑誌の創刊号を手にしたとき,なぜ,矢作俊彦に原稿を依頼しなかったのだろうかと不思議に思った記憶が蘇ってきた。いや,依頼していたのだ。ただ,その後,矢作俊彦の文章が掲載された同誌を見つけた覚えはない。

酒場の話と,リージョナリズム,日活アクション映画について,だから矢作俊彦は,もっともっと文章を書き,売りつけてよいのではないかと思う。少なくとも,一度書いた小説を久生十蘭よろしく再利用するくらいなら。

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