敗戦後論


加藤典洋の『戦後的思考』は本棚のなかほどに置かれていて,読み終えて以来,ここ数年,手に取ったことはない。先日,何年ぶりかでページをめくりながら,違和感を覚えたので『敗戦後論』から読み直してみようと思ったものの,ハードカバーはもとより,ちくま文庫で出た版も見当たらない。結局,古本屋に500円で置いてあったのを見つけて読み返している。

なんだか善い戦争と悪い戦争というものがあるようで,そこから一歩進んだところで成り立っているとばかり思っていた戦後の認識のしかたを奇異に感じた。買ったら善で負けたら悪なんて話,こども向けの特撮番組でさえ1950年代にとっくに清算したのではなかっただろうか。吉本隆明は,それではダメだと考えているらしいのだけれど,ならば加藤典洋を飛ばしてしまってよかったのかも知れないと思いながら,さらにページを捲る。

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