WORLD HAPPINESS

ケラが歌う姿を最後に見たのは,平成のはじめにP-MODELが解凍する1年前のシャレP-MODELだと思う。それ以前でも結局,此岸のパラダイス亀有の永遠のワンパターンバンド,それもラ・ママの酸素が薄いなかだった。と,記して,P-MODEL解凍の日比谷野音に,ロングバケーションがゲストで出たような気がしてきた。
有頂天のCDは数枚もっているのだけれど,聴いているとやたらシニカルになってしまうので,ここ20年は聴いていない。「ハッピースリープ」なんて,語呂がいい歌詞とシンプルな曲で,後期有頂天のなかでもよく聴いたものだけれど。

No Lie-Senseのステージが始まったときの天候はかなりやばかった。さすがに芝に敷いたマットを片づけて,いつでも帰ることができるように準備しながら見た。ステージ上は雨,風にやられてすごいことになっていた。私がこれまで見たステージで,もっとも非道い状況だったように思う。パソコンがダウンし,カラオケが出なくなってしまうと,「アカペラだって唄えるんだ!」。ケラにいわれてもなあ,と思いながらも,歌詞カードは風に散り,濡れたカードを抱えるケラに,歌っている様子からは感じることがないプロ意識が伝わってきた。聴こえてくる音は,生演奏している楽器とボーカルだけだった。

鈴木慶一が「これで終われとのことです」と一言,片付けに入ったので,結局,予定していた曲すべては出来なかったのではないだろうか。

このまま中止になってもしかたないくらいに天候は荒れてきた。しばらく時間を空けて,「電気グルーヴ」のアナウンスが出ると,会場中に歓声が沸き起こった。

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