古本屋

日ノ出町から伊勢佐木町へ向かう角に,昔からの古本屋があった。放射線技師のジャズボーカリストが出演したライブハウスや,仕事絡みの打ち合わせなどで,月に1,2回横浜へ出掛けていた頃,桜木町から関内あたりに何軒かある古本屋の佇まいに出会うと,とてもホッとしたことを記憶している。

桜木町での待ち合わせの間,野毛から日ノ出町あたりの古本屋をみておこうと思った。
ところが,野毛に入るあたりの新し目の古本屋がまず,なくなっていた。地元関連の本が並んでいたものの,続けるのは難しかったのかもしれない。
そのまま場外馬券場を越えて日ノ出町の十字路まで行くと,向かいの角にあったはずの古本屋が高層マンションになっている。こちらは,かなり年季の入った店で,よもやマンションになっているなどど思いもしなかった。これには少しショックを受けた。
道を挟んで,桜木町駅に少し戻った野毛坂の途中の古本屋は幸い昔のままの佇まいでそこにあった。その昔,デジカメのデータで買い付け価格を決めていた店主はいなくて,前の店主が客とともに戦中の憲兵の話をしている。古本屋だなあ,と思った。手前のビル1階の古本屋も健在だった。

ただ,そういう空間が都内にはだんだんと少なくなっている。

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