少女漫画


倉多江美の漫画は読み続けたものの,それ以外の少女漫画にはあまり惹かれなかった。

『キャンディ・キャンディ』は読んだ。萩尾望都,竹宮恵子などは少年漫画雑誌に連載されたいくつかの作品のみ,大島弓子は読んだとはいえ,まったく琴線に触れなかった。

ところが,大島弓子のパスティーシュだといわれる三岸せいこの漫画は単行本2冊に加え,当時「ぶーけ」に掲載された未収録ものまで読み,先日も実家で本を片づけていた際に読み返した。で,こちらはいまだに面白かった。

と書いていて,当時,「ぶーけ」を毎号購入していたことを思い出した。たぶん,笈川かおるの「花を抱えたゲリラ」連載の頃だったはず。Wikiで検索すると,笈川かおるの漫画をはじめて読んだのは1979年の「ぼくが探偵をやめたわけ」で,同じ頃,単行本『借りてきたネコのブルース』を買った。「すずめ報告」から「へへへの方程式」,「インターミッションパートⅡ」,そして「花を抱えたゲリラ」あたりは新作が出るたびに読んでおかなければ,と思うほどのファンだった。「花を抱えたゲリラ」は後に単行本化された際,加筆・修正があったものの,その箇所の絵柄があまり馴染んでいなかったので,連載をそのまままとめたほうがよかったのでは,と感じたことを思い出す。

先日,笈川かおるの単行本が何冊も出てきたので,アルコールでカバーをぬぐったついでに『すずめ報告』を読んでみた。ラブコメそのもので,どうして当時,琴線に触れたのか考えこんでしまった。ネームのうまさというか,掛け合いが韜晦ひたひたにリズミカルで,それだけは感心した。
その後も,「羽衣一景」シリーズ,「愛のご一家」,「夏だったね」あたりまでは書店で見つけると購入したものの,その後,読み返すことはなくなり,数年前,古本屋で「ばってんBOX」という単行本を見つけて買ったのが最後だ。

笈川かおるの作品の代わりになったのが内田美奈子の漫画。御厨さとみの漫画経由で知ったはずなのだけれど,そのあたりの記憶は失せている。SUN COMICSというか「DUO」絡みの単行本を読んで,驚いた。ネームどころか物語さえも,都会派小説(ああ,恥ずかしいネーミングだ)っぽさを強烈に示していた。当時,吉田秋生が同じあたりを狙っていて,そちらのほうが人気を博していたものの,私にはこの頃の吉田秋生の漫画は面白くなくて,ようやく「海街diary」シリーズになって本式に読むようになった。
ただ,「GOODBYE」以降(一作のみ,「ヘビーウェザー」が「コミックトム」に掲載されたものの),「赤々丸」や「BOOM TOWN」になると,追いかけるまでの魅力を感じなくなった。
『DAY IN, DAY OUT』を読み返したところ,こちらは相変わらず面白かった。ただ,御厨さとみ以外,ルーツを感じないのだ,内田美奈子の漫画には。いったい,どのような経緯でこんな漫画が生まれたのか,いまだに知りたいと思う。

ネットで調べると,これらは1981年から1985年くらいの間のことのようだ。昭和50年代後半の幸福な,しかし,二度と戻りたくはない時期は,だから私にとっては少女漫画との幸福な出会いの時期とも重なるのだ。

その頃,「ぶーけ」の編集者が,男性に人気のある執筆者は笈川かおると三岸せいこだと語っていた記事を読んだ記憶がある。理由はわからないけれど,それはそうだろうと,と思った。

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