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予約していたくるりの新譜「THE PIER」を家内がとってきた。娘も交えて聴いている。家内がよく聴いているのは竹内まりやや山下達郎,松田聖子に今井美樹と,音楽の趣味については治外法権でこれまでやってきた。数年前から,くるりだけは歩み寄ることができ,娘と3人でそれなりの回数,ライブに出掛けた。ということは,これまで記したとおり。

「Liberty&Gravity 」は,少し前のライブでお披露目されてからフロアで何回か聴いたからだろうけれど,あの「変な曲」を竹内まりやファンの家内が「ポン,ポン」と口ずさんでしまうのが,とにかく面白かった。考察すれば,レポート1本くらいはまとめられそうな反応の面白さだ。

1~3曲目の感じが「THE WORLD IS MINE」の「GUILTY」から「静かの海」に似ていなくもない。少なくとも音の処理については巷で例にあげられている「ワルツを踊れ」よりも「THE WORLD IS MINE」と共通していて,かなり手間をかけているように聴こえた。

ヨーロッパのスタジオでドラムを録音したと聞くと,中山ラビの「甘い薬を口に含むと」を思い出して,期待が殺がれる。ハンザ・バイ・ザ・ウォール・スタジオはさておき。「ワルツを踊れ」のドラムは,私には音の処理が甘すぎて,それがあのアルバムによい印象をもっていない大きな原因だと思う。

今作は,実のところ「坩堝の電圧」と曲のアプローチとしてはそれほど変化していないはず。大きく異なるのは音の処理やアレンジがやたらとチャレンジングなところだ。特にドラムは久しぶりにこんな格好よい音を聴いた。ほとんどBOBOの演奏だというのだけれど,クレジットを見なければ打ち込みだと思ってしまうくらい。「坩堝の電圧」も,ドラムの音が(悪くはないけれど),フレーズに比較してあまりに当たり前で,今でも凄くよいアルバムだと思うものの,そこだけは今ひとつの感じをもっている。(つづきます)

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