敗戦後論


夏休みに新古書店で購入した加藤典洋の『敗戦後論』がもう少しで読み終わる。そのまま『戦後的思考』を読み返すつもりが,こちらだけで気持ちが殺がれてきた。以前,文庫本で読んだときの感想など覚えていない。ただ,読み返してみて,佐野眞一の『東電OL殺人事件』を読んだときに似た不自然な感じがした。「ねじれ」について,矢作俊彦が語ると腑に落ちるのに,加藤典洋は全体,むりに語っているように思えるのだ。

戦争の正しさ/誤りを基本に物事を紐解いていこうとしても,ボタンの掛け違いから始まっているようなもの。第一,少なくとも餓死で亡くなった6割の兵士にとって,欠けていたのは,大義ではなく,戦略であったことはいわずもがな。

このところ,矢作俊彦が「気分はもう戦争2.1」で描くはずだった国のありかたに似た考えが現れてきつつあるように思う(ああ,まどろっこしい)。某首相のとんちんかんな動きによる,これはほとんど唯一の功名かもしれない。

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