みちくさ市

日曜日は3回目の雑司ヶ谷・鬼子母神前の「みちくさ市」。夢野久作の「キチガイ地獄」初出の「改造」とか,大友克洋の「童夢」第一部掲載の「アクション・デラックス」とか,いったいどこで入手したのかさえすっかり覚えていない雑誌が実家から出てきたので,みつくろって参加した。

11時前に並べ始めて速攻で,橘外男,香山滋などの現代教養文庫8冊が,初老の男性(というにはかなり説得力のある歳のとりかたをされた方)に購入された。幸先のよいスタート。

9月には改装中だった,軒を借りている隣の店舗にメロンパン屋さんが入り,とにかく朝からこちらの閉店まで購入に並ぶお客さんが途切れない。何度,「このメロンパン屋さんはチェーン店で,下落合駅の改札前にもある」といいたくなったかわからないほどの大繁盛だ。並べる本を選んでいたとき,江戸川乱歩生誕120周年などというコピーを思い出し,結局,そのあたりの本を中心に置いたため,メロンパンを買うために並ぶ方々との温度差といったら甚だしい。家内がもってきた婦人用の洋服や絵本,料理本,受験本などをそちら側に固めて,江戸川乱歩生誕120周年インスパイア関連は反対側に並べた。

午前中の動きがそれなりによかったので,一度,自転車で家まで江戸川乱歩本を取りに行って追加して一日を終えた。

目標の1万円超えには至らなかったものの,ここ2回と同じくらいの売り上げになった。とはいえ,初手から一箱,仮にすべて売れた場合,どれくらいになるのかなど計算してきていないのだから,結果などないに等しい。

これが仕事だったら,一日中,声かけて疲弊してしまうだろうけれど,日がな本を並べて,人並みを眺めながら,ときどき会話を交わす。その,やけにのんびりとした時間はなかなか得がたいものだ。

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