再読


矢作俊彦の『引擎/ENGINE』(新潮文庫),再読。単行本刊行の際に記した記憶があるのだけれど(といいながら,確認したところ見当たらない),この凶手は傑がモデル,というか傑の物語が続かなくなったので,この凶手が出来上がったのではないかと思う。

傑の初登場は漫画『ハード・オン』で,その後,昭和の終わりの連作「東京カウボーイ」経て,『ららら科學の子』に至る。未完の「仁義」や,その再挑戦「あとは沈黙の犬」(なんだか石森章太郎の「天使編」のようだ)にも顔を出したはずだけれど,そのキャラクターに真正面向き合って取り組んだ作品は結局,生まれなかった。

そこで,この小説を仕立てたのではないかと思ったのだ。

というのも,最後の最後のくだりで,これは『ハード・オン』と繋がっているなと感じた場面があったからだ。『フィルムノワール/黒色影片』と2つに分かれた物語の片方という読み方もできるに違いない。

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