ディックの『アンドロ羊』に出てくるバスター・フレンドリー,口調はほとんど広川太一郎だ。
その当時,正月になると都内の名画座どこかではモンティ・パイソンがかかっていた。情報誌には吹き替え版,字幕版どちらの上映かが記されていたので,選択の楽しみさえあった。かなり前に記したとおり,そうやって大塚や浅草,高田馬場あたりの名画座で年始を楽しんだ。
「アンド・ナウ」は吹き替え版の方が好きだった。だから,私はいまだに広川太一郎の声を思い出すとエリック・アイドルの姿が浮かんでくる。
『アンドロ羊』は,ところどころ記憶に残っている箇所があるものの,ストーリーをほとんど忘れてしまっている。はじめて読んだかのように面白い。