望月三起也


望月三起也の訃報。新しい才能が生まれるよりも,潰える才能のほうが多いことがさびしい。

マンガを手に取り始めたのは昭和50年代に入ったばかりの頃だった。「週刊少年キング」は「週刊少年サンデー」とともに手に取りづらい印象だった。石森章太郎が「ギルガメッシュ」を連載していることを知り,他に読むマンガが見当たらないので立ち読みしていた。単行本1巻の終わり,物語がおそろしく盛り上がるあたりで,ときどき購入するようになった。「ギルガメッシュ」が尻つぼみになっていくとは想像もせず。

「まんが道」や「銀河鉄道999」がはじまった。連載されていた他のマンガを読み始めたのは,たぶんそのあたりからだ。「ワイルド7」のページを捲るようになったのはたぶん「魔像の十字路」の連載からだと思う。

数か月で47巻が手元に揃った。「参考書を買う」と言って親から預かった金を古本屋で「ワイルド7」に替えてしまった。

「ワイルド7」は1巻から順番に揃えなくても支障がない。「地獄の神話」や「運命の七星」あたり,絵もキャラクターも安定した,背表紙が黄色でないストーリーから手を出した。高校に入り,同級生に「ワイルド7」ファンがいた。何が好きかという話になって「緑の墓」と言われたのを契機に,黄色にも手を出した。それで参考書は増えずに「ワイルド7」がすべて揃ってしまった。全編何度も読み返した。しかし,黄色本は「地獄の神話」以降に比べ,読み返すことは少なかった。

ぶ厚い48巻を手に入れたときの感触は覚えている。当時のマンガで一番の厚さ,長編としても一番。そんな印象を持った記憶とともに。

そこから「俺の新撰組」「優しい鷲JJ」「学園シャンプー」「四つ葉のマック」まで読んだ。「俺の新撰組」は後半になるにつれ,原田がほとんど飛葉のポジションに落ち着き,不思議な印象だったけれど,絵の恰好よさといい,これが望月三起也のピークだったような気がする。

「新ワイルド7」「続・新ワイルド7」は徳間書店から増刊号のような体裁で刊行された。去年,親のマンションを処分するまで,全部手元に残っていたのだけれど,ぶんか社の文庫本で読めるからあまり残念ではない。このあたりになると,だんだんしかけは大きくなるものの,白と黒のコントラストで見せるような絵ではなくなってしまった。

昨年,本屋を何軒かまわって『ワイルド7R』の第2巻を買って読んだ。京都から横浜へと舞台が移り,前半はそれでも第1巻と同じくらいの手ごたえだった。後半,カラー原稿なのだろうか途端に画面に力がなくなった。それが残念だった。

「俺の新撰組」は完結しなかったけれど,それは結果にすぎない。「完結したい」という張り合いが,望月三起也になにがしかの影響を与えたと思うのだ。マンガにつながっても,つながらなくても,それはどうでもいい。

 

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