50歳からの赤い公園

赤い公園の新譜「純情ランドセル」(このタイトルだけは他に案がなかったのかと思う)が出たので,手に入れた。子どもの受験が終わり一区切りついたリビングは野戦病院のような状態でここ数か月,片づけられない。CD一枚聴くにも,荷物を掻き分け,跨いでようやくプレーヤーにたどり着くという按配だ。一箱古本市から戻った本がそこに輪をかける。

そのCDを聴いたのは,だから購入してから一週間過ぎてのことだった。

武蔵小金井と国分寺の中間に徹が住んでいた頃,ほんやら洞を越えて(手前だったかもしれない)国分寺駅に行く途中にGOKサウンドはあったと記憶している。斜面をくりぬいた車庫があって,その前を通るたびに,ここでP-MODELの「カルカドル」(の多くの曲)が録音されたという記憶とつながるものだから,そこにはアウラがあった。

赤い公園の2枚のミニアルバムを聴いて,その面白さの何%かはGOKサウンドによるのだろうと思ったのは,2ndアルバムが出てしばらくしてのことだった。

もちろん曲自体,演奏センスは私たちのようなニュー・ウェイヴ世代の琴線に触れるものだったし,即興性をのぞけばライブ感も秀でている。

この3rdアルバムを聴いて,GOKサウンドで赤い公園はもう音を鳴らさないのだろうか,と思った。2ndよりも引き気味で,全体,バンド感とでもいうものが増しているからなおさら。

数日後,書店で「ワッツイン」休刊号をめくっていると赤い公園のインタビューが目に入った。これを読むと,新譜特設サイトのライナーノーツで述べられた「黄色い花」の意味合いが全然違ってしまう。

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