神戸元町の高架下,元高(モトコー)を歩く。数軒が店を構える古本屋を覗きにきた。休日の午後,シャッターの下りた区画は少ないとはいえない。それでもここを訪れるたびに,およそ正札がつきそうにないものでも,一度並べてしまえば,あとはなんとでもなることを突きつけられる。
古本屋の棚を眺めていると,テレビニュースの音が聞こえる。モトコーの大家・JR西日本が橋架の耐震構造の脆弱さを理由に,店子との契約を更新しないと打診してきたようだ。
本の背を追いながら,このあたりがなくなってしまうかもしれないといわれても現実感がわかない。