子どもの役割

朝一番で,義理の父の家に向かう。検査結果の説明があるので,一緒に病院へ出かけた。私は四半世紀にわたりペーパードライバーなので,病院まで20分ほどの運転は義父の担当だ。

今年92歳,一人暮らしで家事全般は自分でこなす。週5日,ジムでトレーニングを続けてきた義父が右腹部に痛みを感じ始めたのは1か月くらい前のこと。食事をとると痛みが増すため,徐々に食事量を減らした。いきおい体力は落ちる。尿意はあるものの,なかなか出ない。トイレが夜間頻回になり,睡眠不足で日中,うとうとするようになった。ここ数年,月に数回,会社帰りに寄っては酒を飲みながら夕食を共にしてきた。昔の話から政局,景気の話まで,さまざまな話をした。体調の様子を聞いてからはおでんを買ったり,何種類かの甘酒を携え,出かけた。

地元の病院でCT検査,内視鏡検査をしたものの,原因はわからないという。都下の大きな病院を紹介され,先日,検査にだけ1人で行ってきた。

入口の自動受付機にカードを差し入れ,手続きは完了した。午前9時。すでに外来患者で込み始めている。はじめに採血室で採血と採尿をし,消化器科外来まで上がった。

少し待ったものの,すぐに診察室に入り,簡単な説明があった。義父を先に待合室に送り,数分間,説明を受ける。厳しい事態に向き合わざるを得ない。別の科を紹介され,1時間近く待ち再び診察室に。今度は歯に衣着せず,かなりシビアな説明だ。時間が押しているのか,義父の話を聞くよりも,自分の説明を優先しようとする態度が伝わってくる。ただ,義父はどのように治し,元の生活に戻ることをしっかり抱えている。その医師には興味がないことは明らかだった。それに異を唱えてもしかたないと,どこかに醒めた感覚がもたげてくるのは不愉快だ。あれとこれが繋がっていないことだけは,それでもわかった。

再び,子どもの役割を果たすことになるのか。

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