沈黙

花粉の影響が強くなってきたので会社帰りにクリニックで薬の処方をもらう。探している本があり,芳林堂書店で探すものの見つからない。悲しいけれどいつものことだ。地下の喫茶店で休憩しながら『沈黙』を読み進める。2/3を越えたあたり。

『戒厳令の夜』は,チリ革命が物語を突き動かすモーターの1つだから,他の革命との違いについて触れられていた。そのくだりが印象に残っている。つまり,倒された側の人は革命を具体化するうえで再び反旗を翻す可能性があるため抹殺しなければならない。チリ革命ではそこが不徹底(?)という趣旨だったと思う。それが後の軍事政権を長引かせた原因の1つだと,まるで切り捨てるかのように仄めかされる。

『沈黙』を読みながら,つぶやきのことを思ったり,上の箇所の記憶が強化されるのは,多様性を,つまりは違いを前提として成り立つ世の中を思い描いていたからなのかもしれない。

そう鹿爪らしく語ろうとする一方で,でも『沈黙』にキチジローが登場するたびに,NHKのコント番組「Life!」で星野源演じるところの“うそ太郎”が二重ってしかたないのが一番なんだけれど。

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