中華街を横切り,路面電車の停留所を探す。長崎の街並みはやはり昭和40年代の横浜に似ている。海と山の近さは神戸風だけれど,中華街から一本海沿いのあたりの感じが,長崎にはまだ残っている。
路面電車で大浦天主堂下まで行き,拝観。夕方になっていたので,人通りは落ち着き,静かな観光地をいう雰囲気だった。路面電車で出島まで戻る。
カフェわかば堂は,それこそシルクセンターあたりそのものという佇まいのビルの2階にある喫茶店。店主のシマカワコウヂさんは,もともとはバァテンダーだそうで,音楽紙芝居楽団「うちゅうばくはつがくだん」で活動されている。わかば堂のスタートは北千住で,数年前に長崎に新たに店舗をつくられたとか。長崎の話,東京での活動の話,シマカワさんのお話は面白く,コーヒー,ケーキもおいしい。
- うちゅうばくはつがくだんの公演予定(3月)
シマカワさんは100枚以上の絵をもとに紙芝居を演じるそうだ。テーマは聞き語りをもとにした東京空襲のもの。青山空襲の話が出たので,思わず北杜夫の『楡家の人びと』の最後について伝えてしまった。
コインロッカーに預けた荷物をとり,JR長崎駅に向かう。長崎には一度,学会出張で来たことがあるものの,あのときはたぶん福岡から電車で長崎まで来て,帰りも長崎を経由した。駅前と学会上の記憶しか残っていない。長崎市の位置はもとより,長崎空港,ハウステンボスとの位置関係など初手から把握していない。ガイドブックを捲り確認したところ,長崎からハウステンボスまで1時間半近くかかる。空港を中間にして長崎市とハウステンボスは南北に離れて位置していたのだ。
駅でハウステンボス行きの電車を確認すると,18時過ぎの便があった。で,車中1時間半。日が暮れたなかを家内,娘ともどもうとうとしながらハウステンボスをめざす。
20時近くに駅に着く。なんだか海浜幕張駅っぽい。(つづきます)