MADNESS

年度初めの月曜日。にもかかわらず,今日一日はMADNESSのライブのためだけにあるようなもの。定時で仕事を切り上げ,丸ノ内線と日比谷線を乗り継いで六本木に向かった。

車中で,段々とスキンヘッズなのか,極端に頭髪の乏しい人なのか,見分けがつかなくなってきた。六本木で降り,仕事の電話を一本してエスカレータを上がる。慣れ親しんだ駅なので,キャッシュディスペンサーの位置も覚えている。念のために財布に少しだけ悪銭を加えて,外に出ると雨だ。会社を出たときはよい天気だったのに,かなり強い。もってきたスポーツタオルを被り,EX THEATER ROPPONGIに向かう。

整理番号は150番台だった。あまり待たずに入れたものの,その間,雷に雹,強風が乱れまくる妙な天気。室内に入り,開場をまっていると,扉のあたりに那智君の顔が見えた。トイレでTシャツに着替え,服をリュックサックに押し込む。コインをビールに変えに行くと那智君がいた。ビールを飲み干し,一緒にフロアに入った。聴こえてくるBGMはキンクスの「ビクトリア」。らしいったらありゃしない。

11年前の経験から,とても楽しそうなんだけれど,フロア前面に入るのは止すことにした。段差がついた手すり柵,ややクリス・フォアマン寄りに陣取る。セッティングにしばらくかかり,定刻を15分くらい押してMADNESSがステージ上に姿を現した。

とにかくナッティボーイズ二人の存在感が強烈だ。そのせわしなさは前回の来日公演のとき,決定的に欠けていた。まあ,欠けていてもいいのだけれど,今回のステージを見て,このせわしなさはずっと,MADNESSが抱えてきたものなんだろうなと,妙にしみじみ感じた。

新譜からの曲と80年代のヒットナンバーが交互に披露されていく。サグスは時差ボケなのか調子はいま一つだった。ステージ上のモニターがうまく返ってこないのかもしれないが,キーが合わなかったり入り方を間違える場面が何度かあった。後半はベースのチューニングがかなり甘く感じられるような聴こえ方もした。以前,ここで赤い公園をみたときにも感じたような気がするので,このホールの音の癖かもしれない。出だしを間違えたり,アラを上げれば他にもあるけれど,それらすべてを吹き飛ばすバンドとしての存在感と曲が鳴っている場の多幸感。とにかく楽しくてしょうがない。

サポートは3人の管とパーカッション。パーカッションは音源を鳴らしたりコーラスも担当していた。不思議だったのは,“Wings of a Dove”あたりのコーラスパートは音源を使っているはずが,どうやってあのアバウトなリズムと同期させているのだろう。クリックを聴いている感じはまったくしなかった。(続きます)

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