夜と霧の隅で

連休中はちょうどよいので,たまった仕事を片づけよう。

午前中から会社に行く。待っていた原稿はきておらず,もう一本の入稿を準備する。夕方からtotoruに移り,報告書を読み始めた。夕飯は別の店でとろうと思っていたものの,急に雨が強くなったため食べて帰ることにする。ブックオフによって3冊購入。

 「夜と霧の隅で」は、私の諸作の中では変っていると言われている。…
 遺伝性精神病者の断種、或いは不治と見なされる精神病者の抹殺は、第二次大戦中に実際に行なわれたことで、ただその記録はごく少ない。オスワルド・ブムケの回想記、インゲ・ショルの有名な「白バラは散らず」、モスタールというジャーナリストの書いた「見捨てられ、見失われ、呪われ」という本などに出てくるが、ユダヤ人抹殺の本が多数ある中で、本当に少ないと言ってよい。ドイツ人の医師に訊くと、その事実を頭から否定する者もいる。おそらく戦時中、秘密裡に行なわれ、一般にはなかなか知られなかったものであろう。ガス室に送り込まれた多数のユダヤ人に比べるてその数も少なく、戦後ジャーナリズムが殊さらに書きたてることもなかった。それだけに、私としてはぜひとも書いておきたいと思った題材である。
北杜夫『見知らぬ国へ』(新潮文庫)

初出は『北杜夫全集』の月報で,この全集は中学校に入学したとき,記念に何冊か買ってもらった記憶がある。その頃,講談社から出ていた『江戸川乱歩全集』とともに新星堂の上にあった書店で見つけた。

どちらもすべて手に入れたわけでなく,読んだことのない作品が収載されている巻を買って,その他は手つかずだった。『江戸川乱歩全集』で初めて横尾忠則を知ったように思う。

その後,アルバイトをして小遣いに余裕があったとき,夢野久作全集をまとめて買ったのが全集を揃えた経験の始まりだ。高校2年のときだったはず。

ということはさておき,「夜と霧の隅で」の創作過程について,北杜夫に誰かきちんと尋ねて記録に残した人はいないのだろうか。

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