OP

飛び始めた花粉のため,少し気道が炎症を起こし始めたらしい。始めて数か月とはいえ舌下免疫療法の効果がいかほどのものか興味ある。

夜は飲み会。JR新宿駅から地下を通って三丁目にたどり着く。すでに昌己,喬史,和之は店に着いていた。生ビールとツマミを数品頼み,徹が来るのを待つ。

伸浩,葉木家さんと到着するものの主賓はなかなか現れない。携帯に連絡しようかと思った頃,ようやく徹がやってきた。

ただ,10年ぶりに会ったにしては別段,何らか感慨があるわけでもなく,すぐに学生時代のリズムで慌ただしくやりとりが続く。口を挟まなくても,場が続いていく安心感は代え難いものだと思う。途中,数回話題が途切れた時間がなんだかおかしかった。以前はこんなことはなかったなあ,と。

それよりも喬史の新しい仕事のほうが何倍も衝撃だった。

私がSNSにアップした望遠写真の話題を急に振られたのでキヤノンの2万円程度のデジカメだと伝えると,その倍以上かけてデジカメを手に入れたという。自分の仕事のサイトをつくっている話が続いて,仕事のサイトか尋ねると,仕事のサイトだけれど会社のサイトとは言いづらいらしい。

徹も加わった話のなかで少しずつ概要が漏れ出てきたところ,伸浩が「探偵か?」と尋ねるほうも尋ねるほうだけれど,「お,鋭いな」と一発で当てられてしまうのも下手な漫才を見せられているようで爆笑してしまった。

50歳を過ぎて,私立探偵の友人をもってしまったことになる。

そこからは喬史の私立探偵ネタと葉木家さんの弟が働かないという話,徹の近況に話題が行き来しながら,あっという間に3時間が過ぎてしまった。 1週間前,駅のホームで転倒し下肢を非道く打ち,数針縫ったまま抜糸前の徹はアルコールなしに通した。帰りに地下鉄の駅まで下る階段で面倒くさそうに脚を引きずる徹の傍らにいると,何度もこんな時間を経てきたなあ,とため息が出てしまった。

もちろんヴァージンメガストアもレコファンもないし,ニューヨークニューヨークにサンドウィッチを頬張に行くわけではないにもかかわらず。

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