Hard

よい天気,というよりも暑いくらい。午後から事務所で仕事。合間にiMac G4の情報をとったりしながら17時過ぎに会社を出る。大塚まで歩き,ブックオフで文庫とマンガ。休憩する店を探しに駅の東,南,北を久しぶりに歩く。適当な店を決められず,池袋の構内パブで休憩。夕飯用に弁当を調達して帰る。

久しぶりのiMac G4立ち上げをきっかけに,この半世紀で家電というか,ハード由来の記憶があることに気づいた。

10歳の頃,小さなポータブルラジオがはじまりだ。ギリギリFMが入るくらい,短波は聞けないものだった。BCLブームの頃にもその非力なポータブルラジオで,とりあえず(モスクワ放送あたりまでだったけれど)追いかけた。1975,6年にラジカセを買ってもらい,数年間,使いまくった。その数年でBCLは下火になり,録音が流行った。いや,流行った記憶があるのだけれど,「録音が流行る」という語感がどうもピンとこないな。

中学生になり,パイオニアのステレオを何とか(たぶんテストの成績を対価に親と交渉した記憶がある)手に入れてからは,ラジオはもとより,LP,カセットと,ほぼこれだけで済んだ。自分が親になってみると,あの当時,よく子どもにステレオセットを買い与えてくれたものだと思う。裕福な暮らしではなかったものの,かといって貧しさを感じたことは一度もなかった。どのようにして家計をやりくりしていたのか,生前,親に尋ねておくべきだった。

発売当初からウォークマンは,どうにも使う気分になれず,20歳を過ぎて安価なものを手に入れたが,結局,今に至るまで,音楽を聴きながら歩いた時間はそれほど長くない。

一人暮らしするようになり,テクニクスのミニコンポを買い,これにCDプレーヤーを足し,結婚後まで10年以上使った。このあたりまで,音楽に関するハードがほとんどだ。

昭和の終わり,どうしたわけか父親がPC98のラップトップを買ってきた。2DDフロッピーでデータを読み込み使う時代のもので,“Another Game”の元になるデータを打ったのは平成の初めころだった気がする。これは3,4年ほどして使わなくなった。

KORG T3を手に入れたのは平成に入ってすぐのこと。秋葉原のセコハン楽器店からハードケースに入れて新井薬師まで抱えてもってきた。10数年間使い,FDが壊れてしまったのを修理できず,処分した。途中,CASIOのCZ3000も買ったが,こちらは2,3年で処分した。コレガのmidiマネージャーでT3とつなぎ,トラックの一部をCZ3000で鳴らしたこともある。TEACの4トラックミキサーでミックスしたのだ。

MacのPerfomaは94年に手に入れ,ほとんど使うことなく手放した。何をするにも中途半端で,手に入れて一番記憶に乏しいハードかもしれない。この失敗が響き,子育てが重なったため,2002年まで新しいハードを買うことはなかった。

2002年にiMacを手に入れてからは,ラップトップを入手し続けた。日立に富士通(2台),そしてmouse miniに至る。iPodを2台。娘の練習用にKORGのエレピ。いまは家内,娘共々iPhoneを使いながら,記憶が更新されていく。

70年代に手に入れたハードは長く使ったような記憶があるものの,実のところ10年もったものはない。80年代以降に買ったもののほうが長く使っている。KORG T3を20年近く使ったのが最長だろうか。テクニクスのコンポもレコードプレーヤーは途中でダメになってしまったものの,同じくらい使うことができた。向き合った時間はたぶんT3が一番長いはず。次がiMacだろう。

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