犬なら普通のこと

夕方から新宿で打ち合わせ。少し早く着いたので西口のブックオフを覘く。コンビニ本『俺の新選組』(上)が108円で並んでいたので入手。ホームネットワーク関係のムックを買って打ち合わせに向かった。

結局20時半すぎまでサシで企画の打ち合わせ。かなり疲れてしまった。総武線で東中野経由で帰る。ここでもブックオフを覘いたけれど,めぼしい本はなかった。中井まで歩き,新装サワディーでハイボールとつまみのセット。ヤムウンセンはいま一つピリッとしなかった。

ここ数日,矢作俊彦・司城志朗『犬なら普通のこと』を読み返している。数週間前に何章かを読み,止まってしまっていたので,その続きから。こういう読み方をしてもまったく面白さが変わらないのがこの小説の魅力なのだろう。

以下の分担は想像だけれども,司城志朗中心にまとめた「連載」は,繰り返し読むほどの小説ではなかった記憶がある。連載一揃いは手元にあるものの,(単行本にまとまるまでは別として)読み返した記憶はない。「単行本」化の際,大幅に手が入り,何せ固有名詞から何からまったく変えてしまった。これは矢作俊彦によるのだろうと思いながら,読み返すのだ。

未収載の短編「桜坂ムーンドライヴ」といい,矢作俊彦と沖縄の相性はとてもよい。もっと沖縄を舞台に小説を書いてほしいと思う。

繰り返しになるのは承知のうえ,矢作俊彦の初期の短編と『犬なら普通のこと』にはとても親和性がある。元々,横浜を舞台に考えられた物語を沖縄に置き換えたのだから当然とはいえ,ちょっとしたフレーズや場面と昔日の短編がつながったりするので,とにかく読んでいてたのしいのだ。どうしてお前の,とそしりを受けることは承知で,自分のフィールドはここなのだなあと感じる。

スタイリッシュすぎる初期の短編の文体がほどよく一般化されたように見せながら,あちこちに符牒をちりばめておく。落穂拾いのたのしさ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Top