エルニーニョ現象だそうで,朝からあたたかい。8時半過ぎに家を出た。新宿駅構内のドトールで朝食をとり,中央線で八王子まで行く。横浜線に乗り換え,八王子みなみ野に着いたのは10時過ぎ。東口から徹の家まで歩く。ちょうど,むしくい堂さんが車で着いたところで,昼過ぎまで2階から本を降ろし,少し片づける。みちくさ市に並べようと思っていた本だけをエコバッグに詰めた。駅前の喫茶店で昼食。徹は郵便局に行くというので,そこで別れて新宿から高田馬場まで。戸山口のプロントで休憩。
16時に待ち合わせた家内,娘と落ち合い,鶯谷まで。踊ってばかりの国のライブ。
東京キネマ倶楽部に入ったのは初めてだ。数年前,平沢進のライブはここだった記憶がある。規模はまったく違うものの,渋谷のO-Crestのような動線になっている。
古本を抱えたまま,ロッカーやクロークに預けずに入ったため,PAの右前あたりに場所を確保した。家内と娘は相変わらず前の方に入り込んでいる。開演前に流れた曲のなかにどうしたわけかピンク・フロイドが入っていたみたいで,ただ,全体違和感はなくて,ああフロイドってこういうバンドだったのだなあと妙なため息をついてしまう。
定刻若干遅れでスタート。開場早々は200名くらいかなと思った客が,いつの間にかフロアはいっぱいになっていた。
ツイッターから拾ったセットリストを上げて,とりあえず感想。大久保仁のギターがとにかくすごかった。シューゲイザー風の装飾などという次元ではなく,爆音で音場を広げていく。
リズム隊もこれまで観たなかで一番,変幻自在感にあふれていた。谷山のベースは,メロディラインをユニゾンでなぞり,ドラムと重いビートを刻む。
場数の踏んでいるバンドの強さは,曲のアレンジというか構成が観るたびに変わっているあたりに如実に現れる。P-MODELのライブを頻繁に行なっていたころはこんな具合だった。HAPPYの対バンで初めて観たときからすると,おそろしい変化だ。
前半気になったのは,下津がしばしば無意識に見せる目を剥いた表情がほとんどなかったことくらい。後半になるにつれ,あの睨むような顔つきが出てきたけれど。
久しぶりの「話はない」は,テンポを少し落として,「いやや,こやや」は爆音をブリッジにどちらも恰好よかった。「ほんとごめんね」は,ダイナソーJrがジョイ・ディヴィジョンをカバーしているかのようなアレンジに変化して,これはオリジナルのアレンジが好きだったので,もう少し曲の輪郭をくっきりさせてもよいかもしれない。
1年半前には,不安定に見えたバンドが,もはや,こわいものなしのばけもののようにのし歩く姿を目の前に,バンドはつくづき生き物なのだと感じた。
今の,踊ってばかりの国のライブに,足を運んでおくべきだろう。
セットリスト
- メロデイ
- evergreen
- 世界が見たい
- 風と共に去りぬ
- 口づけを交わそう
- バケツの中でも
- 話はない
- tonight(今夜)
- いやや、こやや
- EDEN
- Surfer song
- 光の中
- 新曲(夏)
- ほんとごめんね
- 東京
- SEBULBA
- Water
- 唄の命
- Boy
- ゴースト(アンコール)
- プロテストソング
- No ESPer
- 新曲(音楽は味方)(ダブルアンコール)
- OK
- 言葉も出ない
- 夕日(トリプルアンコール)