盛岡

一泊二日の盛岡出張。 仕事は日曜日にあるのだけれど,たまったポイントを使って宿泊代に当てた。9時半から始まる仕事に日帰りは厳しい。出張費を圧縮するためにJR東日本の週末パスを使い,大宮-盛岡の往復で片道1万円と少し。

盛岡に行ったのは20年くらい前に一度きりだと思う。雪の日で,午後からの取材だったから日帰りした記憶がある。駅と会場を慌ただしく行き来しただけなので,盛岡がどんな町なのかおよそ知る由はない。

8時過ぎに家を出て,9時過ぎのやまびこで盛岡に向かう。宇都宮を過ぎたあたりから福島までは一面,雪がひどく積もっている。それが仙台を過ぎると意外と雪が残っていない。昼過ぎに盛岡に着いた。

木曜日,金曜日に降った雪が溶けないまま凍っている。ゆっくり歩いて宿泊先をめざす。土地勘のないところでは,もっぱら歩いて場所を確かめることにしている。地元の人にとっては,それは歩いて行く距離じゃないというくらいを歩くことも少なくない。北上川を渡り右方向に進むと市街地が見えてくる。映画館通りを突っ切る。ホテルに入り荷物を預ける。チェックインは15時だというので,昼食をとり,古本屋を覘くことにする。

映画館通りから一本脇に入ったところ,飲み屋街のラーメン屋に入る。醤油ラーメンとトンテキ丼の日替わりセット。どちらも美味しい。

キリン書房はすぐに見つかった。大きな店ではないものの,1階の棚をチェックするだけでもかなり時間がかかった。古めの中公新書が並んでいたので,矢野暢を探したが見当たらなかった。2階に上がるにはバッグをロッカーに入れていくことになっているので,指示に従ってバッグをロッカーに入れた後,階段を上る。2階には硬い本が多く,また1階にもあったけれど郷土史,東北史の本も多い。宇都宮の山崎書店に20数年ぶりに入ったとき,古本屋は郷土史の接点としての役割があると感じたことを思い出した。2階で矢野暢編の本を見つけたので購入。

城址を右にして,すぐに左折。鄙びた門前通りを進むと,岩手県公会堂が見えた。前回,きたのはここだった。そこから右折して突き当りを左折,道なりに進み中津川を渡る。川沿いに歩いて一つ目の通りの向こうに東光書店が見えた。

東光書店は,店先の均一棚に並ぶ本からすると左系の古本屋っぽい。新刊書店,古書店とも以前は,この手の店がときどきあったのだけれど,最近は少なくなった。均一棚を確認した後,入口の木の引き戸を開けて店内に入る。一番目を引く棚に昭和30年代のミステリーが並び,右手は映画,演劇など。こちらも郷土史,東北史に関する古本が充実している。左手奥に数冊並んだ新書から岡村昭彦の『南ヴェトナム戦争従軍記』(岩波新書)を購入。

中津川を渡り,旧市街と思しき通りを進む。左手に昭和40年代まではふつうにあった佇まいそのままのよろず屋時計店が店を構えている。あたりはぽつりぽつりと駐車場や空き地が目につく一方,同じような木造家屋がときどき見える。(つづきます)

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