直行で蕨に行く。10時に改札で待ち合わせ。

何回か前のみちくさ市のとき,塩山さんと宮本さんとあれこれ話すなかで,蕨にあった古本屋のことを思い出した。そのことはたぶん書いたはずだ。東口を降り,線路際を川口に向かってしばらく戻ったあたりにあった店で,そこに店があることをどのようにして知ったのかは覚えていない。当時,越谷に住んでいたから,浦和から大宮あたりまでは古本屋を探しに行くことはあったものの,蕨,川口,赤羽……上野,池袋から浦和までの間隙に足を踏み入れることはまったくなかったはずだ。京浜東北線の車中から見つけたのだろうけれど。

だいたい徹と出かけていた当時,蕨の古本屋には一人で入った気がする。中央に天井まで伸びる書棚が据えられていて,そこを仕切りにして通路が馬蹄形に確保されている。内田百閒の文庫を買ったような気がするが,会計のとき,店主と買った本について二言,三言交わした。

店内に入り,しばらくすると「お茶いかがですか」とおばあさんが声をかけてくる。遠慮せずに湯呑を片手に棚を眺める。そうすると何か買わずに店を出られなくなる。本を決めて湯呑を戻しながら会計をお願いする。30年以上前,そうやって少なくとも3回は店に行ったはずだ。

平成に入ってからしばらくして,店が閉まったような記事を見た気がする。

塩山さんから聞いた話の内容はすっかり忘れてしまった。ただ,今も店はあるような話ではあった。蕨で打ち合わせなど初めてのこと。帰りに寄ってみようと思った。

打ち合わせは長引き,駅前に戻ってくると12時を過ぎていた。とりあえず昼食。路面の看板を見て,ランチ営業中の居酒屋に入るつもりだったにもかかわらず,のれんをくぐるとラーメン店に入ってしまっていた。つけ麺を食べてから,線路際を歩く。

なごみ堂の位置関係は,だいたい記憶のあたりだ。もちろんお茶が供されることはなく,品揃えも記憶とは違う。もう少し手前だったような気がするし,ただ,このあたりに古本屋が開いているだけでもうけものだ。ぐるっと店内をながめ,島田一男の『去来氏曰く』を750円で購入。探せば面白そうな本が出てきそうな感じだったけれど,すでに13時を回っている。

西口にも古本屋があるようだ。平日に古本屋めぐりの時間がとれることが万が一あれば,また蕨にきてみよう。

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