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会社帰りに伊野尾書店に寄る。「新潮」11月号を捲ったものの,矢作俊彦「ビッグ・スヌーズ」は休載。長年,ファンを続けていると,文字数が必ずしも質につながらないことは十分心得ているつもりだ。旧作をスキャンして,プロの原稿用紙ブローカーの名を轟かせるのではなく,短くとも一度読んだだけでは理解できないけれど魅力的な文章を紡いでいることを確信して次号を待つ。ただ,「悲劇週間」の最終回のような例があるので,長いからといって穿った見方だけではないけど。あ,「常夏の豚」の最終回は少しだけ「眠れる森のスパイ」が入っていたなあ。どちらも最終回でボリュームが増えたとはいえ,それぞれだ,それは,たぶん。

本の山のてっぺんに1978年の「ミステリマガジン」が乗っていたので,布団に入りながら「真夜半にもう一歩」の最終回を久しぶりに読んだ。これも長いもので,最後の場面に手を入れさえすれば,『真夜中にもう一歩』ほど改変せずに出してよかったのではないかと,思う。その場合,「アメリカ人にさよならを言う方法」でシリーズがまとまらないとはいえ。今になってみると『フィルムノワール/黒色影片』で縛りはなくなってしまったし,と行ったり来たり。

Mac Fanと『プレイボール2』の新しい巻を購入して帰る。岩波の「図書」を引っこ抜いてきたものの,目次をみただけで目を通していない。

サワディーに灯りがついている一方,居酒屋兄弟は「しばらく休業」との張り紙。正直,どちらか一店開いていればありがたい,という程度にしか利用していないものの,少しさびしい。

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