週末

通常よりはかなり遅い時間とはいえ,土曜日はとりあえず会社に出た。仕事を片づけ,家内と17時に吉祥寺で待ち合わせた。買い物の合間に古本屋をまわったものの,めぼしい本はない。夕飯はセイナカフェ。何度か入ったこの店,最近の吉祥寺では一番コストパフォーマンスのよい店だ。BGMは一貫して矢野顕子だった。パフィーのというかフジファブリック・志村の「BYE BYE」を矢野顕子がカバーしていたことは知らなかった。その後,ブックオフに寄って帰る。

日曜日は午後からKAAT神奈川芸術劇場へ。ピンチヒッターでチケットのおはちがまわってきた。まだ雨は降り始めていない。日本大通り改札の先にあるカフェで軽く昼食をとり,コンビニでのど飴を確保する。1か月以上,咳がとれない。

観たのは秋元松代作,長塚圭史演出「常陸坊海尊」。客席には翻訳家・演劇評論家の松岡和子さんの姿も。三幕3時間を超える劇はあっという間に終わった感じ。圧巻の白石加代子さん。内容はというと複層的で説明しづらいので,帰りに書店でみつけた「ひらく 2」(エイアンドエフ)の長塚さんの発言から。

長塚 『常陸坊海尊』自体が,弱者の話ですよね。弱者がどんどん排除されていくという話。戦争中は山のイタコみたいな存在はいらないわけですから,どんどん排除されていく。学童疎開だってそうで。親を失った子どもたちが,どんどん田舎にもらわれていく。そんな彼らを支えているのが,750年さまよっている常陸坊海尊という存在なわけ。

森山未來 そういう話なんだ。

長塚 そう。源平合戦ののち,最後は衣川の決戦で,源義経を捨てて逃げた常陸坊海尊。爾来750年,その常陸坊海尊は,さすらいながら生き延びつづけ,いわば生き恥をさらしながら,各地を行脚して,そのことを語りつづけるという,そういう伝説が江戸時代まで続いたわけですよね。750年生き続け,さすらいながら,「みなさんの罪を引き受けましょう」と言っている。寺でも神社でもなくて,常陸坊海尊が,最後の最後に庶民を救う存在な訳ですよね。「あなたの罪を私が引き受けましょう」ですから。そういうことって,必然的に現代につながると思うんですね。今の時代は,格差も激しくて,ぼくらの目になかなかつかないけれど,非常に貧しい人たちもいる。じゃあ,そういう人たちをどうやって救うのか,という。(p.238)

18時前に新宿三丁目に着き,紀伊國屋書店の1階で娘,家内と待ち合わせた。で,「ひらく」をみつけて購入。夕飯はサブナード地下にできた蕎麦屋(目白駅前にある店)で。季節外れに非道い雨降りで,地下街は混んでいた。とはいえ,行きの山手線は普段の休日に比べると遥かに空いていて,なんだか様子がわからない。

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