週末

土曜日は午後から家内と買い物に出る。昼食は野方のカフェオーディトリアムで。禁煙だとうれしいものの,昔からある店なのでむずかしいのだろうな。コーヒーが美味しい。そのまま高円寺まで歩く。

ほぼ緊急事態宣言前の人出にもどった感じ。休業中の店と,開いている店の差を,あれこれ考えながら買い物をする。palに入ったら,どこかの店のBGMでキングクリムゾンの「スターレス」が大きく鳴り響く。ペプシのCMでは「スキッツォイドマン」が登場するし,フリップはトーヤとコントのような動画をアップし続けるし。1977年ごろ,俊介の家で初めてキングクリムゾンのLPを聴いてからの40数年がゲシュタルト崩壊しそうな感じがする。

買い物を終え,ふたたび野方まで歩く。家に戻り,家内と夕飯。娘が帰ってきて,「野ブタ。をプロデュース」を観る。ここから2話は重いなあ。パソコンの設定の続きをして眠る。

日曜日は午後から会社で仕事。暑い。Tシャツで大丈夫なくらいの気候。17時前に終え,日高屋で休憩して斎藤純『レボリューション』の続きを読む。池袋東武の地下で夕飯のおかずを買い帰宅。少し眠ってから夕飯をとる。0時過ぎに眠る。

『レボリューション』は,自分が小説を書くと,これと同じような粗がめだつのだろうなあと思いながら読み進む。ロックの薀蓄,都合よく了解可能な登場人物。意見の違いが物語につながらない。『悪魔を憐れむ歌』とこの小説を足して,登場人物をもう少し若くすれば,面白くなりそうな感じがする。それを書くのは大槻ケンヂが相応しいはずで,ただ足しただけでもダメなのだろう。

『レボリューション』はこの歳になって読み返すと,素人っぽいという感想がまず出てくる。それで矢作俊彦の小説と比較して,何が違うのだろうと考える。端的には,三人称で自分語りしすぎで,自分語りが他者に受け入れられて,学級委員のような登場人物ばかりで,だから少し辟易としてくる。後半1/3ほど,新しい事務所に入ってきたキャラクターの造形はありきたりで,読みながら平井和正の『幻魔大戦』シリーズのどこかを思い出した。平井和正はまだ,キャラクターを書き分け,オリジナリティを出すことができるものの。

自分の正しさしか呟かず,その正しさを肯定する他者を配置することで,正しさがなんだか薄っぺらになっていく。もう少し正論と距離がとれれば,森雅裕や樋口有介の後塵くらいにはつける素質はあると思うのだけれど。

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