ビッグ・スヌーズ

土曜日は一日,自宅でもろもろの片づけ。本とHDDのデータをもろもろ引っ張り出す。家内と娘は待ち合わせて夕飯をとってくるというので19時過ぎに近くのスーパーマーケットで夕飯を買ってきて済ませる。雨と遠くの雷鳴。場所によっては非道い雨になったようだ。

日曜日は昼前から出社。途中,芳林堂書店で「新潮」と『デビルマンサーガ』最終巻を購入。『デビルマンサーガ』は,それなりにきれいにまとまった感じがするものの,破たんがないと味気ない。17時まで仕事をして,高円寺まで。家内と待ち合わせ,買い物を済ませる。夕飯はテイクアウトで大江カレー。家に戻り,食事をして,エクセルで索引作成を済ませた。

矢作俊彦「ビッグ・スヌーズ」は,30回くらいでまとめるのだろうか。「So Long」後半は「カジノ」を題材にしたらしいが,途中がアレだったので毎号,店頭でさっと眺めたくらい。どのように終わったのは覚えていない。

「ビッグ・スヌーズ」もカジノに絡めてまとめるようだけれど,一番印象的だったのは次の場面だ。

振り向くと,一枚ガラスの大きな玄関ドアからアパートの外に立つ魁が見えた。彼は車道に立っていた。

こっちに顔を向けたまま,不思議な仕種をした。漫画に出てくる重武装の女子高生やゲームの筋肉アバターには考えもつかないような仕種,――つまり全く力を入れず,ハンカチをひらつかせるほどの努力で,襲い来る大型トラックを弾き返そうとしたのだ。

とても静かな立ち姿だった。そちらへは目も向けず,ただ手を払った。近づいてきたのが10.7リッター四六〇馬力のトラックではなく,カレーパンにたかるハエに見えたのだろう。

私には長い時間だった。寸前,目をつぶった。瞼に光は赫奕と弾けた。それで目をまた開けてしまった。

「ビッグ・スヌーズ」第24回

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