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家を出た途端,豪雨。駅に着くまでの数分でトラウザーズは雨を吸って非道いことになる。茗荷谷で降り,コンビニで買い物を終えた途端,再び豪雨。会社に着くまでにすっかり雨を被ってしまった。

19時まで仕事をして,帰りに日高屋で休憩。島田一男を読む。以下,備忘録として(このサイトが備忘録以外に用いられたことはないのだけど)。

光文社文庫書き下ろしとしては先に「ふるさとミステリー」シリーズがあって,これは3冊刊行されている。ツアーコンダクターと旅行評論家兼法医学教室教授のコンビが,地理と歴史のなかで起きた事件を解決するというもの。三人称で書かれている。旅先で事件に遭遇し捜査にかかわり,旅行の過程でさらにいくつかの事件が起きる。

並行して書かれたのが「湯の街ミステリー」シリーズで,こちらは「ふるさとミステリー」よりも多い数の作品が残っている。というのも,熱海近郊で起きた事件を,地元週刊誌記者が捜査するという,島田一男にとっては手馴れた手法のシリーズだからだと思う。事件との出会い方も事件記者よろしく,警察の記者クラブや熱海イレギュラーズ経由だから,あまりウエットではない。一人称でサクサクと進むから,書きやすかったのだろう。

どちらのシリーズも歴史に関する教養を盛り込むのは島田一男ならではで,特に古文については,その後の推理小説家はこんなふうに書けないだろうなあと,そこは感心する。以前,思いついた,島田一男の小説に盛り込まれた教養だけで百科事典がつくれるのではないかというのは,なんだか可能な気がしてきた。

沖縄のシーサーの由来について(だったと思う),山陰地方の屋根瓦と絡めて『流しびな殺人事件』(ふるさとミステリーシリーズ)のなかで紹介されているのだけれど,これについては図書館司書が推薦図書を探しあぐねている様子で,どこかのサイト(こちら)で,司書が紹介した本への追加情報にこの本が登場したときは思わず笑ってしまった。

家に戻り,入稿しなければならない原稿を少し書く。夕飯をとり,続きを書き終えて,印刷所のBoxにデータをアップした。メールどころかBoxでやりとりすると,どこでも仕事になるのは便利だけれど,それでよいのかと思いもする。

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