帰宅後,ぎんざNOW!を観るようになったのは,素人コメディアン道場に登場した花より団子のせいだ。数年後のマンザイブームになった後も,世事に長けたように伝わるあの笑いは花より団子の独壇場だった。後の桂雀々として登場した後よりも強烈の印象があった。
セックス・ピストルズもランアウェイズも,キッスもクイーンもジャパンも横並びで紹介されたその番組で,私たちははじめて洋楽に接した。
俊介の家に遊びに行き,キング・クリムゾンの1stと3rdを録音して帰ってきたときのことは何度か書いたはずだ。チープ・トリックのドラマーのスティックの太さとか,キッスの誰それの髪の毛のカール具合だとか,そんな話をしながらLPやカセットを聴いた。
ヴァン・ヘイレンの『炎の導火線』がリリースされてすぐのことだったと思う。曲よりも何も音の深さに驚いた。曲調はハードロックだけれど,それは聴いたことのない音の深さだった。ヴァン・ヘイレンはだから,曲や演奏ではなく音なのだ。
その後,デイブ・リー・ロスがカバーアルバムをつくったとき,オリジナル曲を演奏したミュージシャンを揃えたとか,P-MODELの前座とは(武道館にゴザみたいに小さなセットを組んで,と話す平沢は何の番組で観たのだっただろうか),ネタはいくつもあるとはいえ。
1976年から78年くらいの中途半端な時期は,しばらく前から1979年以降よりも面白いものやことがいくつもあった気がしてきた。ずっと,そのあたりは振り返ってもしかたない時期と決めつけていたのだけれど。
エディ・ヴァン・ヘイレンの訃報。