神保町

午後から東京堂書店の裏で打ち合わせ。14時過ぎに会社を出る。アムールショップの均一棚を覘き,久しぶりに東京堂書店へ入る。家内が探していたサイン本を見つけて購入。東京堂書店はもはや見知った書店ではなくなった気がする。

1時間ほどで打ち合わせを終え,会社に戻る。19時過ぎまで仕事。茗荷谷の日高屋で休憩。白人のおじさんが待ち合わせなのか手持ち無沙汰な様子。テーブル席にひとりで10分以上座っている。残り1/5を読まずに事務所に置きっぱなしにしていた岸政彦『断片的なものの社会学』を最初から読み始めた。おどってばかりの国の「サリンジャー」の歌詞を思い出す。他者の認識に入り込む召命としての名前と,他者に操作されるものと化したときの名前。どうしたわけか,一文一文に続けて「そなあほな」(だったか,それさえ忘れてしまった)と,意味を無意味にしてしまう言葉を挟んで読んでも読めてしまうことに気づく。

寒さが厳しい。帰宅後,夕飯。本を探して寝室の山を崩す。

神保町に初めて出かけたのは11歳だったはず。何か用事があったのか覚えていない。父親と神田から神保町まで歩いた。駅前で神保町まで行きたいと道順を尋ねたところ,遠いよ,と言われたことは覚えている。今よりももっと紙とかび臭い匂いが町中に充満していた。こんなにたくさんの陽のあたらない場所があるのだと驚いた。古本屋はもともと,北に入口を構えた,文字通り陽のあたらない場所だけれど。

90年代なかばからこっち,神保町は,陽はあたる場所になった気がする。それにともない足は遠のいたものの,陽のあたらない場所を探しには出かけた。なぜだか,いつからか,そうした場所の気配が感じられなくなったのだ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Top