Revel

昨年の春以降,月1回以上は,STORESの取引が続いている。値付けはAmazonや日本の古本屋のサイトを一応確認し,私の基準を通したうえで公開する。こんなニッチなサイトの価格をチェックしているのかわからないが,取引となった書籍についてときどきAmazonで検索すると,私がSTORESに公開する前見たときより価格が下がっていることがある。無茶苦茶な価格設定の是正に少しは役にたっているならばうれしいものの,私のサイトでその本が売れてしまった後は,元の定価設定に戻りはしないかと穿ったみかたをしてしまう。そんなことはあるまいが。

一箱古本市に並べているときから,片岡義男ファンが根強くいることは気づいた。塩山さんから,「最近の片岡義男ファンは,初版で状態のよいものにしか手をださないよ」と助言をいただき,手持ちの文庫を確認したところ,初版のものはあまりなかった。それでもエッセイはコンスタントに動いたし,STORESに登録してからも,取引が成立した冊数としては片岡義男の本が一番多いかもしれない。

司城志朗の新書ノベルズを探している人がいることは意外だった。私の感覚では,司城志朗の本を読むのは6割くらいが矢作俊彦ファンで,残りは結城昌治など,60年代から80年代の国内で軽ハードボイルド小説を書く才能があった小説家のファンだろうと思っていたのだ。司城志朗の小説にオリジナリティはあるものの,根強いファンがいる匂いは感じなかった。

もともと手持ちの冊数が多くないからだけれど,司城志朗の本は手元に残り少なくなってきた。一方,結城昌治の小説はこの間,1,2冊動いた程度だ。結城昌治のほうが圧倒的に多くの読者の手に渡っているとはいえ,動き方の違いが面白い。

いまだにAmazonでは,司城志朗の新書ノベルズに3,000円~10,000円の値を付けて並べている店がある。そういう考え方があるのだとは思うものの,私とはとらえかたが違うな。

一度,一箱古本市で,結城昌治と半村良,三好徹の文庫をまとめて並べたときは,結城昌治が少し動いた程度で大惨敗した。このあたりの小説家の作品を,良い意味で時間潰しの読書としてたのしむ文化を掘り起こしたいものだ。ただ,路上やSTORESに並べるだけだけれど。

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