古本屋

母親が入院していた頃,会社帰りに見舞いにいくのに,駒込や町屋で一度,電車や都電を降りて,古本屋をのぞいてから出かけたことが少なくない。そうでもしないと,どんな顔をして見舞いにいけばよいのかわからず途方に暮れていたと言うのは,あながち当時の気持ちから遠くない。

数年前でしかないのに,駒込には古本屋が多かった。当時開いていた店のうち,品ぞろえのよかった2軒はすでにない。町屋のタイ料理屋の向かいにあった店も数か月前に寄ろうと思ったら薬局になっていた。

ときどき,大阪や神戸に出張に出かけると,チェーン店ではない古本屋がいまだあちこちで店を開いている。東京近郊はここ15年ですっかりさびしくなってしまった。

10

11月11日,お台場でくるりのライブを見た。1月に武道館で見てから後,メンバーチェンジがあり,新木場,渋谷ときて,今年4回目だ。

ステージ向かって左側,前から2列目の柵あたりに入り込むことができた。先にきていた家内と娘は,かなり前で見ていたらしい。

「東京レレレのレ」からゆるーく始まって,メンバー+Boboでいい感じに進む。「愛なき世界」はBPMを落とし気味というか,かなり落として演奏。「ブレーメン」で高田漣,「石,転がっといたらえんやん」で山本幹宗が加わり,「リルレロ」「Lv30」あたりはかなりハードな演奏。「Lv30」の打ち込みっぽいドラムはBoboのドラミングと意外と合っていたのが面白かった。この2曲が今回,やけに新鮮だった。

「Remember me」から新曲を経て,「虹」「街」は今年の武道館のときと変わらず声がかなり出て,迫力があった。

「ロックンロール」で本編が終わり,アンコールまで,後半はテンションがあがりっぱなしで終わった。

「WESN」でパルス音よろしく,高音トランペットを全音で引っ張ればすごくよいのに,そんなアレンジを期待した。

  • セットリスト
  1. 東京レレレのレ
  2. ワンダーフォーゲル
  3. コンバットダンス
  4. 虹色の天使
  5. 愛なき世界
  6. ブレーメン
  7. トレイン・ロック・フェスティバル
  8. 石、転がっといたらええやん
  9. リルレロ
  10. LV30
  11. 温泉
  12. Remember me
  13. TIME
  14. Loveless(新曲)
  15. ロックンロール
  16. ロックンロールハネムーン(アンコール)
  17. WORLD’S END SUPERNOVA(アンコール)
  18. 東京(アンコール)

本屋

麻布十番の崇文堂書店には,事務所が東麻布にあった頃,会社帰りに出かけた。ただ,遅くまで開いていないのと,どちらかというと品揃えがビジネスマン向けだったので,せっかく立ち寄ったはいいものの,実のところ本を買った記憶は数回しかない。結局,六本木のあおい書店のほうが便利だったのだ。

娘が小学校に入った頃。あのあたりにたむろする子連れ向けに置いてあるだろうと値踏みしたものの,探していた雑誌がなかったことを契機に,近くにある滅茶苦茶辛いカレー店までは行っても,本屋には足が向かなくなった。

最近は,年に数回しか麻布十番界隈に出かけることはなくなった。オーストラリア大使館で取材があったので,久しぶりに麻布十番で降りた。昼間だったので閑散としていた。時間潰しに崇文堂書店へ入ったけれど,結局,本を手に取ることもなかった。なぜかわからないけれど,あの本屋は本が目に入ってこないのだ。

HON

クローニンの小説を読み進めながら,十数年ぶりに『2001年宇宙の旅』(新訳)と三好徹のスパイ小説,ここ数日は『人造人間キカイダー The Novel』まで鞄に入り込み,すきあらば新古書店の105円棚からゴルゴ13のコンビニ本が滑り込む。非道い読書環境だ。それにしても三好徹はゴルゴ13の原作を10や20は書けそうな感じがする。

キャプテン

ちばあきおの『キャプテン』を読み始めたきっかけは,母親だったと記憶している。風邪をひいて小学校を休んでいたとき,どうした風のふきまわしか,書店から買ってきたのだ。記憶があいまいなのは,どう考えても母親に『キャプテン』を選ぶセンスがあるとは思えないからだ。でも,たぶん母親が買ってきたのだと思う。なぜだかわからないが。

近藤がキャプテンになったあたりで読まなくなり,『プレイボール』も連載開始後しばらくは手にしなかった。でも,石森章太郎に遭遇するまで,ちばあきおの漫画はほとんど唯一,私にとってのストーリー漫画だった。

少し前,新古書店でコンビニ本第1巻が105円であったので,ふと手に入れて読み進めた。何よりも単行本第1巻あたりはほとんど記憶していて,何気ないコマまで諳んじられるくらいだった。数日前,第2巻を見つけて読んだ。たぶんジャンプコミックスの5巻あたりまでで,谷口キャプテン時代なのだけれど,気分は小学生に戻ってしまった。

それにしても,なぜイガラシは五十嵐と表記されなかったのだろう。

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