230 or 231

事務所移転にともない,通勤経路が変わった。高田馬場から茗荷谷へ向かうには,池袋経由が妥当なのだけれど,飯田橋,後楽園経由で東京メトロのみを乗り継ぐ。

週末に一度たどってみたところ,まあ南北線を使うと上下移動の距離が恐ろしく伸びるものの,慣れるだろうとたかをくくり,1週間。
日に日に通勤時間が短くなる一方で,これまで通勤途中に捲ることがほとんどなくなっていた文庫本がかなり読めるのも悪くない。

久しぶりに矢作俊彦の『ららら科學の子』(文春文庫)を読み始めて驚いたのは,傑と私が同い年だったこと。さらに,小説のなかでの「彼」と,今の私が同い年になっていることだ。ということは傑は今,「彼」と同い年だ。

このところ,新書とミステリばかり読んでいたら,本を読み続けられなくなっていて,こんなときは矢作俊彦の小説だと思って読み始めた。ボネガットの短篇,ブラッドベリの『万華鏡』,ヘミングウェイの短篇さえも読み続けられなくなっていた。なんでだろう。

で,会社帰り,初めて茗荷谷の餃子の王将で夕飯をとった。味だとか店の雰囲気とかでなく,気になったのは,ハムかつが230円で,餃子が231円と値付けされていたこと。少なくとも,私には230円と231円の商品の差を見据えて値付けすることはできない。

レストラン

食事を外でとるとき,いきつけの店さえあれば,そしてその店が旨ければ,それだけでよいと思っていた時期はかなり長い。

レストランを探す,選ぶことが楽しみの1つだと感じるようになったのは30歳近くになってからだ。楽しみだと感じるようになったことに限ってしまうと,ここ6~7年にすぎない。さらに,しばらく前までは,いいレストランを見つけ,そこがいきつけになればよいと思っていた。

レストランを探す,選ぶことは,どこか独立した楽しみだと思う。値段の張る有名店を制覇するには,あまりに懐具合が乏しい。それでも,何か月に1回でも,そういう機会が出てくると,それが,とても面白いのだ。

Disk Union

御茶ノ水から越谷までDisk Unionのビニール袋に入ったレコードを抱えて帰る。黒だか赤だかのインクが剥げてしまうのは封をしたセロテープを引っ張ったり,レコードを出したり仕舞ったりするからだ。

Disk Unionのというか,レコード袋は,レコードを入れる以外,ほとんど使い道がない。レコードをレコファンで買った記憶がほとんどないので,当時,押し入れに畳んだレコード袋はDisk Unionが圧倒的に多くて,タワーレコードやキニーなんていう輸入レコード店も利用したので,そんなのが混ざっていた。

少し前,高田馬場駅内の通路に「Disk Unionオープン」の看板を見た。今頃,高田馬場に新規開店なんて,いったいどんな店なのだろうと思い,出かけた。
ビルに2階にあったのは,私が通っていた頃と変わらないDisk Unionだった。あまりにも変わりがない店の様子なので,入った途端,妙になじんでしまった。くるりの「ワルツを踊れ」を買って帰ってきた。

サイボーグ009

『原発危機 官邸からの証言』(福山哲郎,ちくま新書)を読んだところ,あとがきでサイボーグ009について言及されていた。 久しぶりに「地下帝国ヨミ編」を読む。手元にはメディアファクトリー版しかないのでそれを読んだものの,やはり秋田書店のサンデーコミックス版が読みやすいと思った。 石森章太郎の線のタッチとコマ割り,構図,ストーリーはさておいても,これらについてはいまだに魅力は薄れない。上手いなあと思いながらページを捲る。

音楽

10数年ぶりに「ロッキング・オン・ジャパン」を購入した。くるりのインタビューを読もうと書店で手にしたところ,600円ということで,つい買ってしまった。

語られるバンドが月刊でこれだけあることに驚いた。うるさいくらいに写真がモノ言うのも。

総合誌で読者ニーズをつかむのは難しいといわれて久しいが,仮にこれでロキノン系とくくられるバンドが絞られているのだとしたら,日本のバンド全体,それにまつわる業界を想像したら,目が眩んだ。

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