2010年9月
09月04日(土) 二元論 |
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その昔の「がきデカ」のある回に,こまわり君がレコードプレーヤーを壊してしまい,最後のコマでレコードの溝を読みながら「人間蓄音機でござい。どなたか買って下さい」といった意味のことを言って終わるものがあったと記憶している。 レコードを持っていても,プレーヤーがないことには音が聞けない。CDになってもmp3になっても,ベンヤミンいうところの"出会いの聖なる一回性"と"複製技術時代"に引き裂かれた音楽メディアにとって,再生され得るかどうかは大きな課題であったように思う。 本は,ハードとソフトを合わせもつメディアだから,手に入れたその場で読むことができる。その利便性をどうも捨て去ることができない。今のところ。 |
09月11日(土) 期限 |
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本サイトの期限が10月末とのこと。さて,どこぞに移行するのは面倒。さて。 |
09月26日(日) 百発百中 |
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司城志朗・矢作俊彦『百発百中 狼は走れ豚は食え,人は昼から夢を見ろ』(角川書店,2010)を読み終えた。全体,『傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを』に似た印象の作品。クレジットを,このコンビのいつもと逆にしているのは意味があるのだろうか。 前半はゆるゆると進み,後半に弾みをつける。この夏,『ブロードウェイの戦車』を読み直していて,実はカタルシスの持って行きどころに不安定さを感じたのだけれど,昨年の『犬には普通のこと』といい本作といい,その点をクリアしているのが大きな変化だろう。 「ミステリ・マガジン」の「あとは沈黙の犬」は,「仁義」と「東京カウボーイ」に交えて,今月は『ポルノグラフィア』の「鳥葬の喪服」と単行本化されていない「エンジン」(たぶん)の一部が組み込まれ,先が読めない展開に。 「ウリシス911」のアイディアに再チャレンジでよいと思うのだけれど,ややトッ散らかってしまいそうな印象。「A day in the life」や「東京カウボーイ」の組み込み方はきれいなものだっただけに,このところ少し残念。 |
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