『フィルムノワール/黒色影片』刊行のタイミングで,矢作俊彦の二村永爾作品についてまとめてみることにした。ネット上での参照先はこちら

二村永爾シリーズは単行本で既刊全4冊(以下,太字が単行本)[ref]現在のところ単行本4冊はすべて異なる出版社から刊行されている[/ref]。作品数としては未刊行の「チャイナマンズ・チャンス」「ルッキン・フォー・ビューティー」を含めても両手の指で数えられる[ref]単行本『リンゴォ・キッドの休日』収載の「陽のあたる大通り」を含む[/ref]。以下,便宜的にシリーズを4期に分け,まとめてみる(単行本発行年は奥付表記に準ずる)。

名前の由来に関する一考察

第1期

  1. 夕焼けのスーパーマン[ref]「ミステリマガジン」1972年9月号,後に『神様のピンチヒッター』収載[/ref]
  2. 王様の気分[ref]「ミステリマガジン」1974年5月号,後に『神様のピンチヒッター』収載[/ref]
  3. 言い出しかねて[ref]「ミステリマガジン」1974年9月号,後に『神様のピンチヒッター』収載[/ref]

第2期

  1. リンゴゥ・キッドの休日[ref]「ミステリマガジン」1976年12月号(前編),1977年1月号(後編)→『リンゴォ・キッドの休日』として早川書房から刊行[/ref]
  2. リンゴォ・キッドの休日[ref]単行本,1978年1月[/ref] 1 2
  3. 陽のあたる大通り[ref]単行本『リンゴォ・キッドの休日』収載[/ref]
  4. 真夜半にもう一歩[ref]『真夜中にもう一歩』として光文社より刊行[/ref]
  5. ヨコスカ調書[ref]連載分に加筆した「グッドバイ」(別冊野性時代)を経て『THE WRONG GOODBYE』として角川書店から刊行[/ref]

第3期

  1. 真夜中にもう一歩[ref]単行本,1985年11月。連載「真夜半へもう一歩」をもとに大幅に加筆修正[/ref]

第4期

  1. グッドバイ[ref]連載「ヨコスカ調書」を修正,後半は「眠れる森のスパイ」をもとに加筆修正[/ref]
  2. So Long[ref]前半は「ヨコスカ調書」以来のオリジナル原稿。中盤から「眠れる森のスパイ」に加え,第2期の作品からの引用が大幅に加わる。連載時の形ではまとめられていない[/ref]
  3. THE WRONG GOODBYE-ロング・グッドバイ[ref]単行本,2004年9月。「グッドバイ」と「So Long」をもとに再構成。大幅に加筆修正[/ref]
  4. チャイナマンズ・チャンス[ref]二村永爾作品であったのは最初の数回(後に「ルッキン・フォー・ビューティー」に換骨奪胎→要確認)。連載中盤よりゴロウ・フジカワものに移行(「引擎 engine」の一部,「眠れる森のスパイ」の一部,Web連載版「気分はもう戦争」などが盛り込まれる)[/ref]
  5. ルッキン・フォー・ビューティー[ref]「チャイナマンズ・チャンス」がゴロウ・フジカワものに移行したためか,「チャイナマンズ・チャンス」の冒頭をもとに二村シリーズとして連載→要確認)[/ref]
  6. フィルムノワール/黒色影片
  7. フィルムノワール/黒色影片[ref]単行本,2014年11月。「新潮」連載をもとに大幅削除ならびに加筆修正[/ref]
  8. ビッグ・スヌーズ[ref]「新潮」連載第1回(2018年1月号)を読む限り,(当初の)「チャイナマンズ・チャンス」を仕切りなおしてまとめようという趣旨のようだ。[/ref]