好きな映画は,と問われれば「ときめきに死す」と答えていた時期があった。画面に漂う空気に,丸山健二の原作のイメージがとてもうまく表現されていたと思う。
が,まじめに堪能するだけでは消費し尽くしてしまう。どうにも搦め手に入り込んでしまうのが癖だ。
杉浦直樹ってジョン・クリースに似てるな。ふと思うやいなや,イメージがやおら広がる。そうすると,これはジョン・クリースでいえば(こじつける必要はまったくないのだが)「フォルティ・タワーズ」ってことか。
いやはや,シリアスな「ときめきに死す」が「フォルティ・タワーズ」に重なってしまった。
強引だが,まったく本当に。