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緊急事態宣言発出後,町に出る人がかえって増えていないか?連休の前倒しだろうかと思ったものの,通勤電車はまったく人が減らない。一年前とは雲泥の差だ。私が時差通勤していないことはさておき。

今日しか時間がないので,著者校正の戻しと,文献表記をAPA形式に手入れ。夕方に校正を戻す。その後,雑誌の作業へ。20時くらいに退社。

少し前,お世話になっている先生が伊達得夫『詩人 ユリイカ抄』(平凡社ライブラリー)をすすめるので,日本の古本屋にリーズナブルな額でアップされていた古書を購入した。島田一男ばかりではさすがに殺伐としていたこともあり,数日前から通勤途中に読み始めた。

文体がまったく古びておらず,内容も面白く読みやすい。稲垣足穂の本を引っ張り出して読み返したくなってきた。この本は,伊達の没後まとめられた遺稿集が10年後,新たに刊行されたものを親本とする。以後40年近く,新刊では読むことができなかったようだ。こんなに軋みのない本が。そのことに驚く。この平凡社ライブラリー版でさえ,いま新刊では手に入らない。10年間,本を流通させるむずかしさは,はたして容認してよいものなのだろうか。

ひそかなたのしみでかまいはしない。そのたのしみに,不特定の誰かがつながる機会が増えている気がしないのはなぜだろう。プリセット音色が多すぎるシンセサイザーのような按配が,この四半世紀続いているにもかかわらず。いや,それゆえに。

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