下版の後処理を済ませ,営業の月次締め作業。引き継いで1か月半ともなると,データ入力上の間違いが締めに反映していくる。新刊の在庫がマイナスになっているので確認したところ,取次配本分を倉庫から出庫していることにしてしまっていた。締めのデータは入力し直し,データベース上はなんとか入庫時のデータを調整できた。18時過ぎに退社。日高屋で休憩し,高田馬場の芳林堂書店に行く。「新潮」を買い,「音楽と人」の赤い公園の記事を読む。家内と娘は映画を観に行ったので,駅近くの中華屋で夕飯を済ませた。久しぶりにウーロンハイを飲んだところ,やけに酔いが回る。20時過ぎから1時間ほど眠る。テレビを観ながら,入稿データを少し整理する。
那智君からメールがあり,土曜日に事務所へやってきたいとのことで,歓迎。様子をうかがうことにする。
矢作俊彦「ビッグ・スヌーズ」は行方知れずだったもうひとりをしまいにかかるも,また,やられる二村。島田一男が小説のなかで刑事に語らせている「有力な聞き込みとはなんだ? 偶然じゃねえか。目撃者の発見,これも偶然の場合が多い。おもしれえタレコミ(密告)とは? 偶然だぜ,これも。よくいうだろう、――運,根,勘……。運とは偶然さ。あたしたちゃ犯人と知恵比べをしてるんじゃねえんだからあ」は,推理小説の根幹を揺るがしかねない語りで,これにならえば,二村は犯人と知恵比べをしているのではないのだと,まあ,島田一男を通して理解するのはどうなのだろうとは思うものの。来月号は休載で,つづきは10月号。と,他の連載も軒並み次号は休載になるようだ。出版社の事情としては,五輪連休はまあ,スケジュールの調整が大変なので,連載をすべて休載にした特別号でもつくるのかもしれない。まさか五輪と文学なんてベタな特集ではないと思うがどうだろう。