Nice Age

昌己にメールをして夜,落ち合うことにした。新刊の件で尋ねたいことがあったのと,家内が職場の友人と夕飯をとるというので。

18時半過ぎに事務所で落ち合う。後で娘も合流するため,店を何軒か検討。結局,少し高めの割烹に入る。

当日捌いたウナギがある日が店先に告知が出る。以前,娘と入ったときに美味かったので,最近はときどき昼を食べにきている。夜は値段相応の美味いものが出る店で,それを美味いけれど高いととらえると入らなくなってしまう。しばらくは節約するところと金を出すところのバランスをとれば何とかなりそうなので,久しぶりに夜,入ることにした。

刺身をつまみに焼酎のお湯割り。要件は数十分で片づき,あとは話をあちこちに散らかしながら。1時間半くらい経った頃だったろうか。通りに怒声が響く。しばらく続くものだから店の人はもとより客も不審と不安が入り混じった感じ。引き戸が開いて,一人が店の中に入ってくる。「しつこくってっさあ」と二階に上がる階段のところで店の人と話をしている。外では相変わらず怒声が続く。「こら,てめえ,なにもしないからこいよう!!」。百歩譲っても,なにもしないわけないだろう。にもかかわらず,階段のところの男は出ていく。

昭和のドラマでしか見たことのない光景が目の前に広がり,なんだか不思議な感じだ。「じゃれているんじゃないか」昌己は冷静に評するが,それにしても迷惑さと妙な面白さが錯綜する。

「昭和にタイムスリップしたみたいな感じだな」といわれたが,まあ,この一角は他にも令和はもちろん,平成より前の空気を漂わせる店が何軒もあって,地場ば歪んでいるのかもしれない。

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