Stress

昨日に仕事が集中したので,一瞬の間隙。たまったゲラを整理し,机のまわりを片づける。書類を編集,営業,経理の山に分けて,必要なものをピックアップする。カバーなどの入稿データをNASにアップして印刷所に渡す。昨日確認し忘れた本扉の用紙とISBNを渡す。倉庫から本が届いたのでたまっていた注文の発送準備。昼食をとり,午後は新刊データをWebにアップする準備をすすめる。19時近くになったので帰ろうとしていると携帯に著者から電話。土曜日に出張校正の本の中から,数ページまとめて削除したいとの意向。続いて,確認というかこちらの判断で決めたあたりについてコメントが二つ,三つ。さすがにこちらで決めたことなので,経緯を説明した。納得したかどうかはわからない。最初の数ページカットについては,上製本なので,スケジュールがずれると,全体ででき予定が極端な話,数週間遅れることを了解いただいたうえで,明日,朝一番で印刷所に行って相談することにした。

その経緯がひっかかってしまい,寝る前までストレスだった。寝てもまあたいして変わらなかった気がする。

本をつくる仕事をしていると数年に一度,このような状況に陥ることがある。滅多にないと考えれば楽だけれど,遭遇したときは洒落にならない。要はコミュニケーションのなかでの認識のズレによるといってしまってよいのだけれど,この仕事,決して1対1で成り立っているわけではなく,私の背中に印刷所と折屋,製本屋,紙卸などがいて,少し先に取次,書店,その先に読者がいる。著者と対峙するとき,私ひとりの判断ではどうしようもないことがごく稀に起こるのだ。ストレスに感じるのはそうしたときだ。

とっくに亡くなった管理者は,編集者は好きなことを仕事にしているんだから贅沢だ,というようなことを言っていたが,仕事にした途端,好きなことにかかわずわう,本来は埒外とでも言ってしまいそうになることが絡みついてくるのだ。今の基準ならパワハラで何度も訴えられてもおかしくない人だったから,そのあたり感じなかったのかもしれないけれど。

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