幼稚

年末に高知の友人から届いたプリントスクリーン。33年前の1月3日,キャラバンサライ@高知市のライブに参加したときの記録が大掃除で見つかったのだという。それは私たちのバンドの最初で最後のライブで,主催者である高知の友人が,都内で週末にスタジオに入っていた私たちに声をかけてくれたのだった。

アキバのセコハンショップでKORG T3を手に入れたのは前年のことだ。以来,シーケンサに同期させての曲作り。今も“M1”というと漫才ではなくKORGのオールインワンシンセの記憶が先に出てくるくらい,当時,KORGのキーボードから受けた体験は強烈なものだった。

画像データを眺めながら33年前を振り返ると,作った曲をライブで演奏するたのしさの一方で,スタジオで曲を完成させていくことは別の意味で面白かったのだと思い至る。

T3でシーケンサを走らせながら,上から生音を被せて曲にする。場合によってはデータに手を加えながら,そんなふうにして曲をまとめていく。そのプロセスが面白かったのだ。だから,できた曲を人前で何度も演奏することにはほとんど興味がなかった。30代を折り返すくらいまでの自分の幼稚さ加減に,還暦を過ぎてようやく気づいた。

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