熱はないし,咳込むこともない。ただ,話しているとときどき喉がいがいがとしてきて咳き込んでしまう。かぜ薬を飲んでいるものの,あまりぱっとしない。
ということで,19時くらいに事務所を出て帰宅。家内は娘と食事をして帰るというので,適当に済ませる。
Amazonプライムで,トーキング・ヘッズの「ストップ・メイキング・センス」を観る。トーキング・ヘッズのライブというと1980年だったか81年だったか,FMで放送されたものを録音して,たまに聞いていたことがある。エイドリアン・ブリューがサポートしていた時期の音源だった。その後,レンタルCD屋でベスト盤を借りて,これもときどき聞いた。たまに聞くくらいで,長い間,熱心に聞くことはなかった。
それがクラウトロックの面白さをわかってから,トーキング・ヘッズの聞き方が変わった気がする。要はクリス・フランツのドラムなのだ。どれほど異化した(イカしたではなくて)リズムを乗せても,8ビート,表のノリでひたすらドラムを叩くクリス・フランツの前では,それこそモリッシーのボーカルを醤油に例えた永野にならえば,クスクスやガンボに醤油を垂らしたようなものだ。
「ストップ・メイキング・センス」でもクリス・フランツのドラムは変わらない。最近,当時,渋谷陽一が繰り出したトーキング・ヘッズ批判が批判されていたけれど,この映画を観ると,なんだか借り物さ加減が半端ないように思う。好意的にいうならば,ブラックミュージックのイディオムが感じられない演奏で,それがクラウトロックなのだろうとあらためて思った。黒人が演奏するとブラックミュージックになるというような短絡ではなく,いくら音を重ねてもブラックミュージックならない凄さ。