死の看取り

さて,年末に知人と酒を飲みながら,事の顛末を話していたところ,こんなリアクションがあった。 「それが看取るということじゃないのかな」 漠然と考えていた,手が届きそうなところに見えていたと思っていた「死の看取り」という言葉...

煮詰める

この夏,野菜のスープをつくっていたときのこと。 料理本片手に,慣れない包丁と格闘したのち,材料をなべに入れ,火をかける。20分後に,なべのなかからこんぶを取り出すのは,味を出し終わった後,そのまま煮ていると味を吸収しはじ...

意味

画家か音楽家になりたいと私は思った。色や音には意味の泥川の向う岸にある瞬間の,不動の,不銹の純粋さがあるように私には感じられたのである。文字はどうにもあいまいで,やくざで,舌足らずで猥雑なように思えてならなかった。 開高...

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