一週間

イベント明けの月曜日は,午前中に雑誌見本が搬入。発送の準備をして午後から助っ人に発送をお願いする。15時くらい,取次まで見本出しに行く。帰りに古本屋に寄り,お弁当を買って帰宅。

火曜日は採用品の搬入準備やら本や資料の発送やらで半日過ぎる。次号の準備に入る。企画が決まったり,ダメだったり。

水曜日は近くの書店に雑誌を搬入。ウェブ注文の調子が今一つなので,セッティングを調整する。

木曜日は本式に依頼の準備をしながら,単行本のカバーの依頼。見本を送ったり,多重課題ばかり。夜は家内と高田馬場の文流で夕飯。50代もあと1年。

金曜日は午前中,税理士と打ち合わせ。午後から請求書作成の下準備を進める。

土曜日は午前中,マンションの理事会で,そのあと事務所に。請求書作成して,夕方から家内と吉祥寺に出かける。古本屋を廻り,文庫数冊と朝倉喬司の単行本1冊購入。コピスの地下で夕飯をとり帰宅。

マンションの件で,10数年前のことを調べようとすると,ネットで何かやりようがあるのかもしれないが,出てくるのは最近のことばかりだ。ときどき2000年代前半のエントリーがひっかかってはくるけれど,どのような変遷をたどったかを探そうとすると途端,使い勝手が悪くなる。ニューアカ賑やかな頃,義行はニーチェなどを援用して「歴史の終焉」などとはやしたてていたけれど,そんなことをせずにすっかり歴史の時間軸は後ろ向きに掃除されている。

event

下版のよく週末に事務所界隈でイベントがある。仕事と並行してその準備で慌ただしい1週間だった。

ついでというか近くの書店に営業に出かけたあたりからバタバタとなってきた。20日からイベントの準備を始めた。とりあえず,書棚に使えるものをAmazonで物色する。1本5,000円弱で見栄えは悪くないものの組み立てなければならないものを2本,床マットとともに注文した。21日の19時近くに届き,とりあえず1本だけは組み立てた。宅配業者によって,平気で17時過ぎにでも届けにくる。

月末に出る雑誌の発送データをつくる一方で,3日間のイベントに並べる本をピックアップする。Storesに登録しているものと重複するので,サイトのほうは23日で一度閉じる予定にした。

22,23日と本の整理に軸足を置きながら,通常業務を済ませる。サイトのコンビニ決済の段取りを済ませて,その手順の案内ページをつくったり,細々とした作業は湧いて出る。

イベント初日。平日なので,人出はぼちぼちというところ。昼前に家内と娘がサポートに来てくれたものの,事務所内は人がこないので,あたりの見物に出かけた。私は発送のラベル印刷など。

イベント2日目は土曜日で賑やか。事務所の外,中に並べた古本もぼちぼちと動く。昨日,今日と13時から仕事で付き合いのある法人からパンを販売しに来てもらったところ,両日とも完売で,土曜日などはものの数十分で売り切ってしまった。人出というものの凄さ。

日曜日は昼前に和之がオンド・マルトノとモジュラーシンセをもって到着。セッティングを終えた頃に家内の友だち,昌己もやってくる。古本も売れ始めて,ただ,午後のほとんどをオンド・マルトノとモジュラーシンセを鳴らすことに費やす。関心をもって事務所に入ってくる人の少なくはない。15時前に徹もやってきた。

17時くらいに全行程を終え,和之と昌己,徹と近所のカレー屋で早めの夕飯。19時前に散会となる。帰宅後,一箱古本市を3日連続でやったかのような疲労感のため布団に潜り込む。2時間ほど眠ってしまった。

古本市はさておき(決して反応がなかったわけではないので,よしとして),事務所前でのパンの販売,和之のオンド・マルトノと,想像以上に反応があったことが面白くてしかたない。面白いというよりも,うれしいといったほうがよいのだけれど。

げはん

インフルエンザの流行がどこに影響するか想像がつかない。下版まで1週間前からはじめたものの,その前に風邪の影響でしばし中断,下版を控えた週末にインフルエンザの影響で少しストップ。埋め草を入稿しながらページアップして,ほぼ下版に費やした時間は3日程度。慣れたデザイナーなので手にかかれば無茶苦茶早く,正確にまとめてくれるものの,毎回,なんかしらアクシデントが発生する。

昔,質的研究を称して,大豆の絞り汁ににがりを入れて,豆腐が固まってくる感じと表現した文章を読んだ記憶がある。雑誌をまとめあげていくのはだいたいそんな按配だ。

それぞれの企画が進む一方で,横のつながりは明確ではない。初手から関連させて依頼したものではないので,つながるほうがある意味おかしいのだ。ところが企画をまとめ前後をつなげてみると,不思議と呼応するような内容が示されていることがある。今回は特にあれ? と思いながらまとめていった。

フランス伝統色のチップは前の会社にあったのだけれど,よもや使うことになるとは思わず,DICの1~6までを抱えてきた。新雑誌で,デザイナーがフランス伝統色を指定するため,チップの受け渡しに電車で数駅を往復する。アナログというのはよくわからないが,そんなやりとりを間に挟みながら,200号分程度の雑誌になんらかかかわってきたので,多少のトラブルがあってもしのげるようになった。ストレスで体にダメージ受けるようなことには遭遇しないようにしなければ。

かさく

矢作俊彦が寡作で結果的によかったのは,1980年代半ばまでにまとめられた小説やエッセイのかなりを暗記できたことだな,とこの頃思う。当時は,それこそ紙マッチのなぐり書きでも読みたかったものの,今となっては,それもあって,くりかえし読んだのだと思うのだ。

同じ頃,旺文社文庫で内田百閒が毎月のように刊行され,それも読んだけれど,内田百閒は寡作な作家ではない。文庫で40冊以上の文章をくりかえし読むことはあまりなかった。だから記憶に残っている文章は,矢作俊彦に比べるとかなり少ない。記憶に残っているけれど,出典を探すのにも一苦労だ。

笠井潔の『バイバイ、エンジェル』を読み終え,それでもなんだか納得いかなくて二度目を読み終えるところだ。ある時期まで,まあそれは短い期間ではあったものの,笠井潔も寡作で,平井和正オマージュ作を立て続けに刊行した後,また寡作(とはいえ,たまに刊行される作品のボリュームはどうなのだろう)に戻った。でも,初期三作の魅力はその後の作品となんだか違うように感じるのだ。

オンライン

しばらく前,ブックオフのオンラインショップに数点,入荷したら連絡が入る登録を済ませた。まったく道義的に妙なこととは承知の上,まあ,入荷したら買ってもいいかなくらいの感じだった。何点か連絡があったので,サイトにアクセスしてみるとすでに売れている,ということが数回続き,どことなく本気になってきた。

週末のこと。そのうちの一冊が入荷したとのメールがきた(というよりも,アプリに連絡が入ったというのが正しい)ので,すぐさま購入し,店舗受取の手続きまで済ませた。

吉祥寺店で受け取ることにして,先日,会社帰りに家内と待ち合わせして,吉祥寺店まで取りに出かけた。

Storesのヴァーチャル店舗は今月末に一度,本の整理をするためにクローズにする予定。月末の染の小道で,昨年同様,本を並べて販売し,残ったものを確認して,とりあえず本がどこにあるかは把握しておきたいからだ。それなりにサイトを通して注文があるのだけれど,発送の段階になると,あたりをつけて,本を探し出すのに一苦労する。自宅に腰高の書棚2本分,事務所のクローゼットとシャワールーム,事務所内とたたきに置いた書棚にも登録した本が置いてある。概ね,このあたりにあるだろうというあたりはつくものの,必ずしもそこで本が見つかるわけはない。

2年ほどだと思うけれど古書店サイトを開いてよくわかったのは,他人がどんな本を探しているのかあたりがつくことはほとんどないということだ。玉川しんめいの本の注文があったのだけれど,そんなこと予想できるわけないじゃないか。幸い,この本は他の本を探しているときに見た記憶があって,その一山のなかにあったからよかったけれど,現状,とにかく記憶が頼りなのだ。ネットでヴァーチャルとはいえ書店を開いていて,在庫のありかが記憶なんておかしいったらありゃしない。

というわけで,少しは記憶に頼らずに管理できるよう整理する予定なのだ。

Top